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<話題の名物料理「ヘンプ・ダッグ」>
北京の名物料理の一つと言えば「ペキン・ダッグ」であることに異論を挟む人はいない。ところが去年の秋からペキンのダッグにちょっとした異変が起きている。
北京市南西部に養殖場を持つ清緑園(北京本草世延養殖場)で開発したヘンプ・ダッグが今、熱い話題を呼んでいるのである。4年前から清緑園を経営している鄭永彬社長は昨年9月から国際産業大麻振興財団の指導と助言を受入れ中国産のヘンプ・ナッツ(大麻の種子)を飼料の一部として導入したのがそのきっかけになっている。
これまで「ペキン・ダッグ」といえば背部と臀部を太らせ油気を多くしたこってりした味が主体でありそのため無理やりに高カロリーの餌を飲み込ませる方法が一般的な飼育法であった。確かに油の載ったパリッと焼きあげた皮と春巻のようにして肉を包み頬張る時の味は天下一品である。ところが鄭社長の飼育方法は従来のペキン・ダッグのそれとは異なり徹底的に餌にこだわり自然飼育にこだわっている。
今年39歳になる鄭社長はアヒルの飼育場を始める数年前、約3ヶ月間、アヒルの飼育に必要な勉学のため韓国留学を果たした。以来、研究を重ねて開発したのが37種類の漢方薬が入る飼料であった。そして抗生物質は一切使わず、ひたすら自然飼育に力を入れて来た。
鄭社長に韓国留学を決意させた理由は2つあった。年間を通じて約25億羽を消費している中国は鶏肉よりアヒルの肉が安いこと、また高品質で付加価値が高く、脂身の少ないダッグが開発されていないことである。韓国では映画「チャンクムの誓い」の以来、映画に出る「硫黄アヒル」がブームになり高品質で付加価値のあるものを歓迎するようになった。二つの点に着目した鄭社長は中国に戻って環境の良い施設を作り、品質の良い飼料を選び、これまで研究した漢方入りの自然産の飼料を扱い始めた。
昨年秋から大麻の種子(ヘンプ・ナッツ)を飼料に導入して育った「ヘンプ・ダッグ」は食欲旺盛でとても元気、肉質が良く大変美味であるのが特徴である。
ひよこから出荷するまで45〜50日が生育期間で平均にして約3,25キロに達する。良く知られている「ペキン・ダッグ」は出荷期の体重が、約3.75キロであるが「ヘンプ・ダッグ」は脂身が少ないためやや小ぶりである。ダイエットを目指している方にはお勧めの物と言えよう。
昨年11月、北京で行われた「アジア産業大麻パイオニア交流会」の開催期間中、清緑園の「ヘンプ・ダッグ飼育場」を訪れた。施設の中には可愛いアヒルの子が仲良く群れを成して遊んでいた。“あんな可愛いものを食べるなんて”と言う参加者の声も聞こえたが 帰り際、燻製の「ヘンプ・ダッグ」を会員の数人が購入して日本に持ち帰った。参加者の一人、茨城県在住の大橋さんは「ヘンプ・ダッグ」の美味しさにびっくり!クリスマス・イブに家族みんなで味わったというその方は、もし、手に入ったら是非分けて下さいと私に電話での依頼があった。
ヘンプ・ナッツ(大麻の種子)は9種類の必須アミノ酸が入った良質のたんぱく質を含み、必須脂肪酸であるリノール酸αーリノレン酸が3:1の理想的な割合で含んでいる。
植物繊維と亜鉛、鉄、銅などのミネラルが豊富な健康食材でもある。殻を剥いた白い実をそのまま食べるも良く、又は各種の料理に取り入れても喜ばれるものである。香ばしく美味しいので今後、健康食品としても脚光を浴びる日は近いと思われる。最近はヘンプ・ナッツの料理のレシピも出回っている。
現在、北京で「ヘンプ・ダッグ」を楽しめるお店は7〜8箇所である。漢拏山,スラオン、韓村、秘園、麻浦などの食堂やレストランである。因みに市販されている物は燻製で真空包装されたもので400gと850gの2種類がある。ヘンプ・ダッグは北京オリンピックの鴨肉使用基準に合格しており、安心して食べられる食品として次第にその名を上げている。現在、清緑園では毎月3〜4,000羽を出荷していたが最近のヘンプ・ダッグのブームにより供給が間に合わなく嬉しい悲鳴を上げている。今後、施設を拡充し現在の5倍の規模を目指している。鄭社長の「ヘンプ・ダッグ」の美味しい夢は着々と育てている。ヘンプ・ダッグが日本人の食卓に載る日もそう遠くないだろう。
2010年1月5日
郭 大植:国際産業大麻振興財団理事長
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